公開日: 2011年06月05日(Sun)
スマホ(スマートフォン)向けのウェブサイトは拡大ができないもんだと思っている人が、周りにいっぱいいて、びっくりしたので書いてみた。
それは誤解です。
そんなことないです本当は。
iPhone や Android のブラウザには、viewport
という、ウェブページの表示の所作を制御する機能がある。その機能の1つに、user-scalable
(ユーザーが拡大縮小できるか)という項目があり、これを no
にすると、拡大を禁止することができる。
<meta name="viewport" content="user-scalable=no" />
これを書かなければ、拡大縮小は普通にできる。
つまり、スマホサイトで拡大が出来ない理由は、「デザイナが拡大させない様にしたから」だ。
スマホ上で、ウェブサイトを拡大表示するニーズはあるのか、と、しばしば議論になる。
これについて、答えは明白だ。
拡大できる必要があるとかないとか、拡大できないとどういう場合に困るのかとか、そんなことを議論する必要はまったくない。
少なくとも、拡大できないことを知っている人たちは、全員、拡大する操作をしてみた人だ。拡大しようとしてみたところ、拡大されなかったという経験を通じて、拡大できないことを知ったはずだ。
最初に拡大してみたのはなぜかというと、言わずもがな「拡大したかったから」という、身も蓋もない自然発生的な欲求でしかない。
でも、それがまさにニーズじゃないか。
整理してみる。
拡大したい人がいて、拡大できては困る人がいないのならば、(わざわざ手間をかけてまで)拡大を禁止する理由など何もないはずだ。
そんな、使う理由がまったくないような機能が、なぜ実装されているのか。
実は、たまーーに、拡大できると困る場合がある。
HTMLは、もともとドキュメント記述言語であって、いまもこれからもそうであり続けるわけだが、昨今、それに加えて新しい役割を担うようになりつつある。アプリケーションのユーザー・インターフェイスを開発できるようにしようというわけだ。
これは例えば、iPhoneのアプリとか、Androidのアプリとか、Adobe AIR などのデスクトップアプリとか、そういうアプリケーションに導入しようという動きだ。
さらに、言語もインタープリタも同じので、ウェブ上でも同じようなインターフェイスを提供できるというメリットもある。
そこで、拡大できては困るケースがでてくる。
例えば、Googleマップを見てみる。
ウェブ上で極めてリッチなUIを提供しており、デバイスがそれぞれ固有で持っている独特な操作を活かしたデザインになっている。ゆえに、デバイス固有の操作をジャックしてしまいかねない、という暗黒面も持ち合わせている。
スマートフォンで拡大縮小の操作をするピンチイン・ピンチアウトの操作は、地図の拡大縮小に取られてしまう。スクロールする操作は、地図上の移動の操作に取られる。
その上で万が一、ユーザーが画面を拡大して、画面全体をGoogleマップが覆い尽くすような状態になってしまったら・・・、ユーザーが自力で脱出するのは難しいかも知れない。
そうした危険性がある場合には、拡大縮小を禁止した方が、ユーザーに優しいと言えるかもしれない。
いずれにせよ、ウェブ上では滅多にそんな機会はないわけだが。
拡大を禁止する必要はまったくないにもかかわらず、拡大を禁止して、ユーザビリティを下げてしまっているスマホサイトが多いことを残念に思う。それによって、ユーザーの一般認識が「そういうもんだよね」と当たり前のこととして了解してしまうことは、もっと残念だ。
この動きは、昔、PC向けのウェブデザインが、文字は小さい方が美しいとし、小さいまま固定化しようとした例と同源なのじゃないかと思っている。この件は、ユーザビリティの専門家によって否定され、文字サイズはユーザーが自分で調節できるものとしてデザインされるのが当たり前になった。
拡大縮小も同様だ。不必要にユーザーの自由を奪うような間違ったデザインを、デファクト・スタンダードにしてはならない。
拡大できない、それじゃ
ものすごく困ります。
世の中には、視力が良くない人が
数万人います。僕もその中の一人、
乱視がひどく、小さな文字はほとんど見えません。
そして、バソコンを使う仕事柄、どうしても、視力が落ちつづけており、
拡大ができない、スマホサイトは、
扱いにくく、利用しにくいなと感じます。
読めないと感じたら、すぐにほかのサイトに飛びますけど、、
公開日: 2011年06月05日(Sun)