公開日: 2008年12月18日(Thu)
『モラルは利益をもたらすもの』を読み返して、もう一回考えたが、やっぱりモラルはまだ要る。モラルは役割を終えてない。
ちょっと前(北京五輪の前くらい)に、中国人のやるヘンな行動を見て、日本人は非難したり、笑ったりしてた。例えば、環境を守るために緑を増やそうって言って、山を緑色のペンキで塗っちゃうとか、中国製偽ディズニーランド騒動とか。そういうのを日本人がみんなで非難できるのは、日本人が共有しているモラルがあるってことで、それを根拠に共感してるからじゃないかな。それができたということは、モラルがまだ生きているという証拠。
逆に一方で、モラルがぶっ壊れているところもある。それを抑えることができていない。
こういうことが起こるっていうのは、少なくても僕の常識からは、モラルの欠如が大きな原因に見える。現状、こういうのを抑えられないのは、モラルに代わる新しいシステムは今はまだどこにもなくて、モラルを必要としているという証拠だと思う。
モラルはぶっ壊れたというよりは、ぶっ壊してきたんじゃないかと思う。代替の新システムを作る前に、ぶっ壊してしまった。
だから、「モラルに頼っていては正しい社会は作れない」と思っている皆さんは、モラルを否定する前に、モラルがなくても大丈夫なシステムをちゃんと考えてからそれを言わないといけない。
公開日: 2008年12月18日(Thu)