科学的分身の術。バーチャルリアリティってすごい。

いまさらいまさらなネタですが、昨年 2008年1月8日放送の爆問学問、『FILE022:「科学的分身の術」』。この回の主人公は東京大学大学院・情報理工学系研究科教授の舘暲(たち・すすむ)先生。

テーマはバーチャルリアリティということなんだけど、この放送を観た当時、ぼくが想像するようなバーチャルリアリティとは、ウェブ上の3D空間だったり、要するにセカンドライフ的なものだった。だけど舘先生のバーチャルリアリティはぜんぜん違う。

例えばこれ。


この筒の中に入ると、辺り一面に広がる(広がって見える)三次元のフィールドと音声。視覚と聴覚を騙して、別の場所にいるような錯覚を起こすそうだ。


テレビ画面を通してみるといかにもニセモノって分かるけど、肉眼で見るとすごいんだって。

それからこれ。


手前にいるロボは、奥にいる学生さんが操作している。操縦者の動きをそのまま真似するロボ。操縦者の動作はロボに伝わってロボを動かし、ロボの経験(見たり聞いたり触ったり)は操縦者に伝えられる。

離れた場所にいても、まるでその場にいるかのような、インタラクティブな経験ができる。

これをバーチャルリアリティと言うのか。すげー。

体の実際のゆれと目で見た景色のゆれが合ってないと、乗り物酔いみたいな状態になると聞く。こういうバーチャルリアリティ(特にテレイグジスタンスと呼ぶらしい)は、人間の五感を騙して、本物の体験だと信じ込ませる技術だから、ちょっとでもウソっぽかったら乗り物酔いみたいになりそうなもんだ。だけど、実際に体験した爆笑問題の二人にそんな様子はないので、おそらくかなりリアルなバーチャルなんだろう。

こんなツールが実用化されたら世界はきっと一変する。インターネットと同じくらい、世界を大きく作り変えるだろう。

放送中でも話題に上っているが、戦争だってこういうロボに代わりにやってもらえば、人は死ななくてすむ。しかも、実物大のロボじゃなくたっていいんだ。身長5cmのバーチャル兵士ロボ。小学校の体育館ほどのスペースを戦場にして、全滅したら負けとか。平和な戦争。戦争してるのに平和、みたいな。

身長5cmのロボの視点を体験できるなら、バーチャル会議室だってでそうだ。1辺が20cmくらいの立方体の箱の中に、身長5cmの分身たちが集って会議する。六本木ヒルズくらいのビルが一つあれば、日本中の会議室をまかなうことだってできそうだ。みんな仕事を求めて東京に密集してくるが、それぞれ地方に分散して、ロボだけ東京にいたっていい。過疎の地方に人口が戻っていくかも知れないし、交通渋滞や満員電車にだってもう巻き込まれる心配はない。

身長5cmの分身ロボは、今で言うアバターみたいなもんかな。リアル・アバター。

バーチャルなのにリアル? バーチャルリアリティって何か混乱をもたらしそうな雰囲気がある。

もしそういう世界がホントに実現したら、エヴァンゲリオンに出てくるゼーレの 「SOUND ONLY」 みたいなリアル・アバターが欲しいな。


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コヤナギ トモヤ

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