「我慢しなくていい」って、なんて不幸なことだろう。

本当においしいビールがどんなものかと考えると、真夏のくそ暑い中、仕事や運動で沢山の汗を流し、くたくたになるまでがんばって、夜まで我慢してがんばり通して、夜が来てもまだ我慢して、先にお風呂に入って、それからやっと有り付いたビールというのが、本当においしいビールなんじゃないかと思い至る。

そういうビールを飲むときは真に幸せだ。

これとは真逆に、日がな一日朝から晩までビールを飲み続けて過ごしたら、それはどんなビール好きにとってもおいしいビールにはなるまい。同じ銘柄のビールでも、まったくおいしく感じない。そんなのむしろ拷問だ。

我慢するからおいしいのだ。

我慢するから幸せを味わえるのだ。

我慢しなくていいだなんて、我慢させてもらえないだなんて、なんて不幸なことだろう。

今年は我慢の年だそうです。来年あたりには、おいしいビールに有り付けるといいなぁ。