大人は無意識に生きている?

2009年6月23日放送の爆問学問 FILE076:「『時間』という名の怪物」 より。心の時間に関するお話。

子供の頃は1年がすごく長く感じられたが、大人になると時間の経つのがどんどん速くなってくる。どうしてそんなことが起きるのか?というのがテーマ。

いくつか放送中で出てきた要点をピックアップしてみる。

  • 大人になると、毎日の生活がルーチンワーク化され、心的に体現されるイベントの数が減ってくる。
  • 「待ち遠しい」は、時間を長く感じさせる効果がある。
  • 代謝が遅くなることによって、時間が短く感じられるようになる。
  • ジャネーの法則「1年間の長さ=1/年齢」。

特に気になったのは1個目の項目。「大人になると、毎日の生活がルーチンワーク化される」。

子供の頃は、世の中のほとんどが知らないことで、毎日新しい何かを体験している。だから、1日とか1時間の密度が大人のそれよりも濃くなって、時間が長く感じられるというわけだ。

ところが大人になって、生活の中でこなされるタスクの多くがルーチン化されると、時間の進みが速くなる。これってつまり、無意識のうちに半自動的にタスクをこなすようになっていて、その間の時間の経過を心的にスキップしてるってことじゃないのかしら。

つまり、人の行動の中の、無意識の支配領域がどんどん増えていっているってこと? もしそうだとしたら、おじいちゃんになるにつれて、ほとんどの行動がルーチン化されちゃって、無意識的に自動的に生きているような状態になっていくのかも知れない。

心の発達や自我の形成が未熟な子供の頃の方が、大人よりもよっぽど意識的に生きている。

産業革命が起きて、生産プロセスが機械化、自動化されていくのと似てるかも。人間が人間のためにする仕事がどんどん減っていって、人間は人間がいなくても生きていけるような状態になっていく。

人間が生きるために、人間は必要ない世界。生きるために他人を必要としない、他人に必要とされない世界。他人との繋がりも必要なくなって、繋がるために無理やり繋がる世界。そういう中で、人間が人間であることを、自分が自分であることを、維持できるだろうか?

今もまだ生産技術はどんどん進歩していて、自動化されている領域は増えていっているんだろうが、これを突き詰めた先の世界が、人間たちにとって幸せなのか不幸せなのか、なかなかどちらとも言いがたい。


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コヤナギ トモヤ

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