俺的グッドデザイン賞:『Mitaka』

太陽系の惑星の図

これは太陽系の惑星を並べた図。(WikimediaCommonsより)

おそらくはほとんどの人が見たことのある図ではあるだろうが、土星や木星や、天王星、海王星、そして太陽の、想像を絶する巨大さたるや、改めて見ても圧倒されるものがある。地球なんてほんのちっぽけで、その上のちっぽけな島国の、ちっぽけな動物が自分なんだって思うと、ついつい気が遠くなる。

しかし、太陽系くらいで気絶してる場合じゃない。

宇宙が、僕らの想像力のキャパシティを遥かに超越するスケールだということを思い知らせてくれるソフトがある。

というわけで、東京は三鷹にある国立天文台4D2U(国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト)の人たちが作っている、『Mitaka』というソフトをご紹介する。もともとはNHKの高校生向けの教育番組で紹介されていたのが切っ掛けで知ったのだが、これがなんともすごい。

まぁとにかく、触ってみればそのすごさがわかると思うので、あれこれ書くよりも、今回は画面キャプチャを幾つか紹介してみようと思う。

地球からおよそ10億光年先までの旅路。圧倒されてください。


まず、我らが地球。ここから旅をスタートさせよう。


ちょっと離れて、月の軌道が見えてきた。真ん中にチョンとある点が地球。お月様ってこんなに遠くにあったんだ・・・。


それからまただいぶ離れて、太陽系の全容がだんだん見えてきた。もう、地球や月どころか、太陽でさえ豆粒ほどになっちゃって、ほとんど見えない。


これはオールトの雲。およそ球状に集合している青い点々の集合がそれ。太陽系の遥か外側を包むように存在している。彗星の故郷といわれているらしい。


さらにうーーーーんと引いてみると、だんだん銀河系が見えてきた。

太陽系は銀河系の端っこに位置している。銀河系を地上から見ると、天の川がそれなんだって。


さらにずーーっと引いてみた。銀河系がこんなに小さく見えるまで引いても、宇宙はまだまだうんと広い。


それからまた気が遠くなるほどカメラを引いて、地球から10億光年の距離まできてみた図(ちなみに、Mitakaのメニューでは100億光年までいけそうだ)。

点々の配置がまだらなのは、ダークマター(暗黒物質)という何かの分布がまだらだからなんだって(難しくてよくわからないけど)。

全体が砂時計みたいな形になっているのは、実際にそういう分布になってるわけじゃなくて、銀河系(天の川)が邪魔で観測できないから、こういう形になるんだそうだ。だからきっと、真っ暗に見えてる部分にも、周りと同じような点々が沢山あるんだろうな。とか想像してみる。

この旅は、メニューバーから、「離陸・着陸」>「離陸・着陸」を選択して地上から空中へ。その後、マウスホイールで下にコロコロやって、だんだん遠くへ離れてったもの。実際に自分の手でやってみると、スケール感とか距離感がよく伝わってくる。

ぜひ一度、ご自分の手でコロコロしてみることをお勧めしたい。

他の使い方もできそうだ。例えば次の図は、「三鷹に着陸」して、メニューバーから「表示」>「星座」で星座が見えるように設定してみたところ。


三鷹の天文台で作ってるだけに、三鷹から見た空だろうか。手軽にプラネタリウム気分を味わえる。

もっといろいろいじってみたいと思います。

この『Mitaka』の動作環境については、参考までに次のように書かれている。

OSWindows XP
CPUPentium4 3.2GHz
メインメモリ1GB
グラフィックカードNVIDIA GeForceFX 5900 Ultra
ディスプレイ解像度1024x768ピクセル

だけど、今回動かしてみた環境は、KOHJINSHA のネットブックで、Windows Vista、メモリは 1GB、プロセッサは Genuine Intel(R) processor 800MHz。残念ながらMac版とかLinux版とかはなさそうだ。


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コヤナギ トモヤ

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