新型インフルエンザ、うがいも手洗いもした方がいいに決まってるじゃないか。

2009年11月3日放送の爆問学問 FILE90『新型インフルエンザの真実』を観たら、東京大学医科学研究所の河岡教授と爆問太田の間でこんなやりとりがあった。

「マスクとか、うがいとか、手洗いとかって、(新型インフルエンザに対して)効果あるんですかね?」という話。

河岡教授は、概ね次のように答える。

  • 人混みの中では、マスクをすることで飛沫を防げるので、感染予防にすごく意味がある。
  • インフルエンザウィルスは石鹸の成分に弱く、石鹸で洗えばすぐ死んでしまうので、手洗いは意味がある。
  • インフルエンザは鼻の奥でも増えるし、のどの奥の方でも増えるのに、うがいで洗浄できるのは入り口のほんの一部分のみなので、インフルエンザに対してはほとんど意味がない。

たぶん、この内容は完全に正しいんだろう。僕は素人だし、別にそれを疑うようなつもりはまったくないんだが、ちょっと引っかかる。(河岡教授を批判したいわけじゃないですよ)

この答えの後の、場の話の流れが、「インフルエンザ予防にうがいは効果がない」→「うがいなんてしなくてもいい」という雰囲気になってしまったのだ。

いやいやいやいやいやいや、うがいはした方がいいでしょ。

河岡教授は学者としてこの問いに答えているので、彼の答えは正しい。なぜなら、学者は、真実を探求したり、その正しい知識を広めたりするのが仕事だから。だけど、もし医者の立場だったとしたら、「うがいなんてしなくてもいい」なんて言ってはいけない。医者の仕事は、患者の病を治したり、健康な人が患者にならないようにするのが仕事だからだ。

新型インフルエンザに対してうがいは効果がないかもしれないが、他の感染症に対しては効果がある。誰しも「インフルエンザに対してうがいはしないが、他の感染症に対してはうがいをする」なんていう行動は不可能なので、うがいはするのかしないのか、2つに1つしか選べない。だったらもう答えは1つしかない。うがいが習慣づいていた方がいいに決まってるじゃないか。

だから、お医者さんは、インフルエンザに対してうがいは効果がないと知っていたとしても、「うがい、手洗いをちゃんとしなさい」というべきなのだ。

最近、「地球温暖化を信じない人が増えている」という主旨の記事を見たが(『「地球温暖化」を疑う人が増加:データで検証すると?』(WIRED VISION))、これもまったく同じ問題を抱えている。

もし仮に、地球は本当は冷却化しているのだとしても、だからってそれが二酸化炭素を増やし続けてもいい理由にはなりえない。そんな論争は学者だけがしてればいいことで、一般の人々が何をすべきかは既に明確な答えが出ている。そこを勘違いしてはならない。

選択肢は1つしかない。

二酸化炭素は減らすべきだし、うがいはするべきなのだ。


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コヤナギ トモヤ

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