『地デジ』と、テレビデバイスのこれからについて考えてみた。

今年2011年7月、アナログ放送が終了して、地デジになった。 のだが、それによっていったい何がどう変わったのか、ぶっちゃけよくわからない。

ので、ちょっと調べてみた。

地デジ化で何が変わったか

手っ取り早くWikipediaに聞いてみた。
どうやら、電波の限りある周波数帯域を整理して、より効率的に利用できるようにする、が、最初の主旨だったみたいだ。

ほか、「特徴など」 の節に、高画質、高音質、電子番組表など、アナログ放送と違う点がたくさん書かれているが、特に普通の一般の視聴者の体験が大きく変わるとか、これからのテレビサービスのあり方に影響が大きそうなものをピックアップして見てみたい。

データ放送

いかにも『デジタル』っぽい、わかりやすい機能。文字情報など、映像と音声以外の情報を同時に配信できる規格のようだ。BMLというXMLの形式で配信されるとのこと。詳しいことはよくわからないが、データ放送のフォーマットはフルセグ・ワンセグともにキー局が製作し、各地方局でローカル情報を追加するのが基本である という点が引っかかる。統一されていないっていうことかな?

双方向サービス

『デジタル』というからには、双方向性への期待が一番強いんじゃないか。が、読んでみると、青・赤・緑・黄の4色ボタンを利用して視聴者参加型クイズやアンケート、投票を行うことができる。ただし「双方向番組」といっても受信機から局に向けて電波を飛ばすことはできないので、インターネット接続することで実現される と、まぁ「やっぱりね」な機能。テレビをネットに接続させるということ自体がハードル高いはずだが、4色のボタンを押したいがためにそこまでがんばってくれる視聴者はどれくらい居るんだろうか。

遅延問題

デジタルチューナーは、電波を受信してから画面に映すまでの間に、デコードの処理を行わなければならず、若干のタイムラグが生じる、という問題があるらしい。デコードにかかる時間は、デコーダの性能に依存するため、一定にならない。例えばパソコンとケータイのワンセグチューナーで同じ性能は出せない。なので、完全にリアルタイムで視聴することはできず、時報を流すのも難しいのだそうな。

コピーガード、ダビング10

録画に関連する機能だ。視聴者にとっては、制約でしかない。

ダビング10は、コピー9回+ムーブ1回ができるとある。当初のコピー・ワンス(1回だけコピーが許される制約)と比べればだいぶマシになったようだが、しかし制約は制約だ。

あんまり大きく変わる気がしないなぁ

どちらかというと、 視聴者にとっては面倒くさい問題が幾つか増えただけで、地デジ化によって何かが画期的に変わる、という気配は感じない。という感想だった。(あってる? がっかり・・・)

でもそれではつまらないので、これからテレビ端末、あるいはテレビメディア がどんな風になっていくか考えてみる。

キモは、インターネットとの融合、とりわけソーシャルメディアとの融合でしょ。月並みだけど。

テレビは究極に受動的になれるメディア

はじめに、テレビとは如何なるメディアか、整理したい。

インターネット上のあまねくメディアと比較して、テレビの特徴を言うとしたら、一言で言うと「究極に受動的になれる」点が最も大きい。

インターネットでは、ユーザーが能動的に行動を起こさなければ、何の情報も得られない。Googleに行けば、検索キーワードを自分で決めて、入力しなければならない。YouTubeやUSTREAMでも、観たいコンテンツを決めて、それを探し、チャンネル画面にたどり着くまで、能動的でいることが求められる。

対してテレビでは、ボタンを1つ押すだけだ。

テレビは、テレビ番組の視聴に特化してデザインされたデバイスだ。テレビを視聴する以外の機能はついていないか、奥深くに仕舞いこまれている。

結果、電源ボタンを1つ押すだけで、いきなりテレビ番組の視聴が始まり、視覚と聴覚を支配し、テレビの世界に引きずりこんでくれる。

これほど手軽で、これほどお任せにできるメディアは他にはない。地デジになっても、この点はもちろん引き継がれている。

「ボタン1つ」より面倒なメディアは、テレビに取って変わることはできない。そして、「ボタン1つ」以上に手軽なインターフェースを作るなど容易なはずがない。その点テレビは、既に極めている。

逆に、テレビ機能搭載のリビング向けパソコンや、『Wiiチャンネル』のようなメディアが上手く浸透していかないのは、ユーザに能動的であることを求め過ぎていることが主な理由ではないか。

テレビにインターネットをオンする

テレビより手軽なインターフェイスを作るのが難しく、テレビより面倒なメディアはテレビに取って代われないとするならば、テレビはやはりテレビをベースに変わっていくのが最もよいだろう。

では、何をオンしようか。

テレビにはない、インターネットの特徴は何か。

双方向性

地デジの特徴にもあったが、4色ボタンでは物足りなくなるだろう。お年寄り視聴者にとっての使い勝手や集計のリアルタイム性などを考慮すると、4色ボタンという結論になるのかも知れないが、あくまで番組制作側が用意した4択の範囲内での結果しか得られない制約があっては、簡単に普及しないか、すぐに不満が出てくるのではないか。(そもそも今、どれくらい使われてるのだろ?)

共感

自分の好きなあるコンテンツについて、その "好き" を共感できる他の視聴者とコミュニケーションをとることができる。

いまでも、テレビを観ながらツイッターや2ch上でコミュニケーションする人はたくさんいる。ユーザは、自分たちで、自分たちのできる方法でテレビとネットを融合させているが、これをメディア設計的にちゃんと近づけられたら、もっと盛り上がるかも知れないし、視聴者の反応を含めたアーカイブのようなものも作れるようになる。

地デジによって、データ放送とか、電子番組表配信とかが可能だとすると、少なくても1番組に対してユニークに振られるIDのような文字列を扱うことはできそうじゃないか。であれば、ツイッターのハッシュタグと連動したり、「いいね!」ボタンやツイートボタンをテレビ番組につける、とかができそうな気がする。

オンデマンド

観たいときに、観たいコンテンツを観れるのが、インターネットの特徴といえる。このときのユーザは、能動的にコンテンツを探しているはずだ。

テレビで置き換えると、録画に当たるかも。基本的に、放送されている時間にリアルタイムに視聴していないと、二度と観ることはできないが、録画したコンテンツに関しては、好きなタイミングで観ることができる。これはオンデマンドな感覚と似ている。

しかし、視聴者参加型の番組を録画で観るときの虚しさといったらない。こういう問題は、ネットの得意分野だ。

ニコニコ動画みたいな、疑似リアルタイムなタイムラインをテレビ番組に紐付けられたら、録画視聴でも参加している感じが得られるかも知れない。後から振り返ることもできる。

まとめ

まとめ、っていってもまとまらないけど^^

テレビにインターネットをオンしようとする動き自体は、だいぶ前から見て取れるが、なかなか上手く行ってないようだ。一方、インターネット側には、テレビに置き換わろうとか、アンチ・テレビ、アンチ・マス的なマインドが感じられたり、活発な感じがするが、やはりテレビの代わりにはなれていない。やっぱりネットは面倒くさ過ぎる。

やはり、『ボタンを1つ押すだけ』の簡単で受け身なインターフェイスを維持しながら、ネットを上手く取り込んで、閉鎖的でマス的な、一方的なイメージを打破できれば、成功するんじゃないだろうか、とか思ってみる。

この駄文は、思いつきで駆け足で調べたのでボロだらけかも知れない。あんまり深く考えてないけど、お手元のケータイやスマートフォンとの連動とか、GoogleTVってどんなこと考えてんのとか、ちゃんと調べて考え直したら、他の方向性も見えてきたりして。

さぁ、どんなもんすかね、これからの、テレビ。


プロフィール

ときにはデザイナ、ときにはディレクタ、ときにはプログラマ、ときには何でも屋と、ウェブの世界で未熟ながらもいろいろやっている、コヤナギトモヤです。

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