公開日: 2011年12月04日(Sun)
ウェブサイトの UI には、すでにデファクトスタンダードが確立している。ウェブ標準の実装が常識になり、どんなブラウザでもほぼ同等の表現を再現できるようになった。そして、レスポンシブ・ウェブデザインが登場したことで、ウェブコンテンツは遂にユビキタスになることができた。
ウェブデザインはここまできた。まだユビキタスになれたウェブコンテンツは少ないかもしれないが、これがウェブ標準によって実装可能であることは示されている。あとは時間をかけて広げていけばいい。
だから、一旦よくないですか。
ウェブデザインは、一旦完成ってことにしてしまって、いいんじゃないですか。
ウェブ標準技術を用いてユビキタスにデザインされたウェブコンテンツは、つまり、どんな端末のどんなブラウザからも利用できるということ。しかし僕らは、これを最大活用するツールをまだ手にしていない。
ウェブ端末と言えば、パソコン、ケータイだった。昨今、ケータイは衰退の方向にあり、スマートフォンとタブレットが台頭してきた。
まだ、これしかない。これらの機器が活躍するようなシチュエーションでしか、ウェブを利用できていない。
せっかくユビキタスにしても、これだけじゃもったいないじゃないか。
ウェブは完成した。高度に標準化され、ユビキタスになった。この資産をより魅力的に、価値あるものにするためにできることは何だろう。
というわけで、ウェブデザインは、ウェブの領域をちょびっと飛び出して、ウェブ端末のデザインを考えてみるとおもしろいんじゃないか、と。
テレビや冷蔵庫や電子レンジなどの家電、カーナビなんかにブラウザを載せるようなアイデアはよく聞くし、実際に製品化されてたりもするが、それらの端末はあるべきデザインになっているだろうか。どんなデザインであるべきか。それ以外にもウェブコンテンツを上手く利用できるシチュエーションはないのか。
たぶん、いろんなアイデアが出てくると思う。僕らの生活のいたるところに、その可能性はある。
端末の未来が見えてくると、ウェブコンテンツがどのようにデザインされていると都合がいいか見えてくる。
レスポンシブ・ウェブデザインはまだ始まったばっかりで、大抵はパソコンとスマホとタブレットしか相手にしていないが、そう捉えるのは限定的すぎる。もっと多様なシチュエーションで、もっと多様な UI からのアクセスが想定されるべきだ。
標準とは、文字通りの標準である。標準の世界では、名乗らなくても、説明しなくても、標準的なサービスを受けることができる。だから、まったく新しい未知のデバイスがいきなり登場しても、標準的なウェブサービスをいきなり受けることができる。標準の世界とは、本来そういうものではないか。
レスポンシブ・ウェブデザインなら、あるいはそれに若干の拡張や修正を加えたなら、そういうウェブ環境を構築することができるはずだ。今はまだ限定的かもしれないが、それがどう利用され得るのかを知ることができれば、どのように非限定的になればよいのかもわかるはず。
ウェブデザインが次に目指すのは、それじゃないかな。
公開日: 2011年12月04日(Sun)