電気自動車の静かさはキケン?

だいぶ前の話になるが、NHKのサイエンスZEROで、開発中の電気自動車が紹介されていた。2010年ころに実用化の目処が立っているとのことだった。(と、記憶している)

従来のガソリン車のように車のエンジンをかける操作をすると、実際にはエンジンはないから、スイッチを入れる操作ということになり、電源が入る状態になるわけだが、音がしない。スイッチがONなのかOFFなのかも実感がないくらいに静かだった。走行している間は、エンジン音以外にもタイヤと路面の摩擦音なども発せられるので、まったくの無音というわけではないだろうが、それでも画期的に静かなのではないかと想像する。

騒音が軽減すると考えればよいことだが、音がしない車は、歩行者にとっては接近に気づきにくくなり、キケンなのではないかと思う。自動車の脅威は、目が見えない人よりも耳が聴こえない人の方が大きいという話も聞く。こどもだって音もなく接近する車には気づけないだろう。

いまや携帯電話に当たり前のように搭載されている小型デジタルカメラは、盗撮に悪用されるのを防ぐために、シャッター音を消せない仕様になっている。電気自動車も同じように、スピーカーからわざわざエンジン音を流すようなことが義務付けられたりするんじゃないだろうか。

そうなると面白い。エンジン音を好きに選択できるということだ。着メロをカスタマイズするような感覚で、ビンテージマシンとか、F1とかのしびれるエンジン音を、どんな車でも発することができる。昔ながらの車好きたちは、至高のエンジン音をネット中を駆けずり回って捜し求め、エンジン音専用の外部スピーカーにもウーファーとかが装備されるようになっちゃったりして。排気筒とかも、形だけ無理やり設置して、わざわざ派手に振動させたり、水滴をわざわざ垂らしてみたり。まったく必要ないのに。

逆に楽しいかも。夢のない夢物語。


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コヤナギ トモヤ

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