Firefox用の音声読み上げアドオン「FireVox」

Forefox 向けに、ウェブページを合成音声で読み上げてくれるアドオン「Fire Vox」というのがあるというので、やってみた。そのメモ。日本語版を作ってくれている方もおられます。

Open Tech Pressの記事をきっかけに知って、日本語版を入れてみたのだが、会社で使っているコンピュータで試した時は上手に日本語を読んでくれたのに、自宅のコンピュータでは英語しか読んでくれず、日本語はシカトされてしまう。日本語版といっても音声データは別のようだ。

これについて、Fire Vox(Firefoxで音声読み上げ):追記でわかりやすく説明されていたのでメモしておく。以下は引用。

Fire Voxで日本語の読み上げをするには、MicrosoftのSpeech APIのバージョン5(SAPI 5)に対応した日本語の音声合成エンジンが必要です。
このSAPI 5に対応した日本語音声合成エンジンがインストールされていると、Windowsの「コントロールパネル」の「音声認識」アイコンをクリックすると表示される画面(音声合成)で、「LH Kenji」または「LH Naoko」という名前が選択肢として表示されます。いずれかを選ぶと、日本語で読み上げてくれます。

ということで、ケンジくんかナオコちゃんが別途必要らしいことがわかった。会社のパソコンには、OfficeXPが入っているのでケンジくんがいたのだろうが、自宅のはOffice2002なので入っていなかった、ということなのかも知れない。SAPI5(Windowsの音声合成エンジンらしい)の日本語版を無料で入手することは、現在のところはどうやらできないらしい。

オープンソースの無料読み上げブラウザがついに出たかと思って期待したが、やっぱりまだそう上手くはいかないのだね。英語なら無料で使えるようになっているのだから、日本語対応無料化も時間の問題・・・、だと思いたい。(ちなみに、英語だけでよければ、Operaブラウザにも読み上げ機能が搭載されています。Operaも無料)

ウェブ制作の現場でアクセシビリティという言葉が常識的に浸透してからすでに久しいが、ブラウザ側の音声読み上げ機能の整備は十分とは言いがたい。世にある読み上げブラウザは、基本的に Internet Explorer のコンポーネントを使っていて(つまり正体はIEということ)、そしてそれなりに高額だ。おそらくユーザエージェントが普通のIEと同じだろうから、普及率も計れない。(たぶんだけど)

W3Cのウェブ標準には、音声読み上げを想定した仕様がちゃんと盛り込まれてはいるものの、IE6ベースのブラウザがその標準をサポートしているかどうかといえば、アヤシイところだ(しかも「IE7では動きません」と謳っているメーカーも散見される)。ということは、もしかしたら、世の中で実際に使われている読み上げブラウザの読み上げ方は、そのブラウザによって異なる可能性だってあるのではないか。(音声のブラウザ依存)

環境依存する可能性があって、普及率が計れないからデファクトスタンダードがどれなのかわからなくて、だとすると、検証用に高額な音声ブラウザを購入しなければならなくて、環境依存の可能性があるなら1つ買ってもダメで、全種類持っていないと意味がない。・・・というのが、ひょっとして音声読み上げブラウザを取り巻く現状だったりするのかしら。

政府関連のウェブサイトの制作ガイドラインには、アクセシビリティに配慮して音声読み上げブラウザで閲覧可能とすることが盛り込まれている。JIS X 8341-3(ウェブコンテンツJIS)という規格による。しかし一般のウェブサイトでは、音声読み上げブラウザの実装が「読ませてみなければわからない」という状況では、なかなか守るのは難しい。プロが作るサイトであれば、「検証環境ぐらい金出して買えよ」でいいかも知れないが、ウェブを構成するHTMLは、普通の素人さんが書いている分も多いわけで(むしろプロが作るそれよりも多いのではないか)、つまり、素人さんが作ったウェブページもアクセシブルになっていなければ、ワールドワイドウェブは一向にアクセシブルにはならない。

つまり何が言いたいのかといえば、「音声読み上げブラウザは無料で使えなければならない」ということ。使う人にとってもそうだし、作る人にとってもそうだ。そして、「音声読み上げブラウザの利用者は少ない」からこそ、なおさら無料でなければならない。

ここは資本主義の弱点なのだろうが、利用者の少ない製品はどうしても高額になってしまう。市場規模が小さいから、なかなかメーカーの競争が起こらない。だから発展も遅い。しかし、この場合それは不公平だ。これらの製品の利用者は、ニッチな趣味やこだわりをもって使うわけではないし、彼らは選択していない。色弱や弱視などの障害を抱えているゆえに、使わざるを得ない人たちなのだ。

こういう問題こそ、お国が推進するべきなのじゃないかしら。社会保険庁なのか、厚生労働省なのかわからないが、企業の利益をかけたニッチなビジネスであるよりも、公共の福祉事業であったほうがよい分野だと思う。こういうところにこそ、税金を投下すればいいのに。そうすれば、多分、すぐできるのに。

と、Fire Vox を通じてそんなことを考えた一日でした。

関連して、次のようなページもあったので、後で読んでみます。

トラックバック (1件)

2009年9月2日(Wed) 0時12分29秒 HTMLは人類史上最もユニバーサルな情報媒体。な、はず。

今日の話題は、2009年6月9日放送の爆問学問 FILE074:「私は ここに いる」 より。
これら一連の画像に写っているのは、点字ディスプレイ。目が見えず、耳が聞こえない東大教授・福島智先生が、おそらくウェブを読んでいる映像だと思う。
僕はこの放送で初めて点字ディスプ...

( PXT255; - 日記? - 記事を開く)



プロフィール

コヤナギ トモヤ

ウェブ系エンジニアしてます。ウェブデザイナー、ウェブディレクターとしてウェブ制作の仕事に携わり、今はエンジニア職に流れ着きました。誰かのお仕事をちょっとだけ効率化するような支援ツールの開発が好き。オープンソースとMITライセンス大好き。人生後半は自由と民主主義のコントリビューターとして過ごす予定。

ウェブ制作支援ツール Pickles 2 をオープンソースで開発しています。

PHP/JavaScript/NodeJS/nwjs/Laravel/Pickles2/オープンソース/心理学/倫理/自由と民主主義

RSSフィード

  • このサイト https://www.pxt.jp/ は、 コヤナギ トモヤ の個人サイトです。
  • 個人的な主張や、活動の記録などを掲載しています。 所属する企業、団体、その他の意見や立場を代表するものではありません。
  • 掲載された内容は古くなっている可能性があります。 特に古い記事では、現在の筆者の考えと異なる主張をしていることがありますが、記録としてそのまま残しております。 予めご了承ください。
ページの先頭へ戻る