公開日: 2008年07月11日(Fri)
Wired Vision『残飯や廃プラスチックなどを使う小型「ゴミ発電機」、米軍基地で稼働中』 より、ゴミ発電機「TGER」のお話。
バグダッドに近い米軍基地Camp Victoryでは、5月初旬以降、残飯、シュレッダーにかけた書類、弾薬の包装の屑などで動く発電機の試作品が2台、電力の供給に一役買っている。
バック・トゥ・ザ・フューチャーに出てきたタイムマシン デロリアン も、ゴミを燃料にしてタイムスリップできるように改良されていたが、それを連想させるニュースだ。
「発電が可能になる前段階の処理に6時間かかり、この時に、発電機が通常使う量の5%のディーゼル燃料が必要だ。1時間あたりにすると1ガロン[約3.8リットル]ほどだ」と、CNETは指摘している。[CNETの記事によれば、TGERの現在の最大出力は約55キロワットという。]
さらに、「このシステムに環境上のマイナス面がないわけではない。TGERからは副産物として多少の二酸化炭素が出る」と、Cleantechの記事は説明している。
多少の二酸化炭素
がどの程度の量か分からないが、ゴミは運ぶだけでもお金がかかるし二酸化炭素も出す。「多少」が本当に「多少」なら、むしろ二酸化炭素排出量は削減されたりしないのかな?
実際に稼動しているのは戦場のようだが、家庭やオフィスにあっても役立つのではないかしら。弾薬の包装屑は無理だが、残飯やシュレッダーにかけられた書類なら、一般家庭やオフィスビルから大量に捨てられている。これがその場で直接的に電気になって再利用できるなら、なんてスバラシイことか。ゴミを運ぶ必要もない(ゴミの体積を30分の1に減らせる
とある)し、埋め立てる必要もなくなる。
ただ、見ての通りデカイのと、前処理に6時間
とそのために掛かる1時間あたりにすると1ガロン[約3.8リットル]ほどのディーゼル燃料
は、多いのか少ないのか想像できないけど、結構な負担になりそうに聞こえる。それでどれくらいのゴミがさばけるのかな?
あ、あと、何でもかんでもゴミを放り込むと、ダイオキシンとか出ちゃうのかしら。うーむ、それだと困るな。(プラスチック、発泡スチロールもいけると書かれてはいるが・・・)
2008年7月8日放送のワールド・ビジネス・サテライトでは、廃棄物からバイオエタノールを生産する技術について紹介していた。これは日本の話。
サッポロビールと大成建設が共同実証実験を行うバイオエタノールプラントが今年北海道に着工するという話題。食料にならない稲わらと麦わらが原料。これらは、堆肥にされているそうだが、1年かけて腐らせないと肥料にはならないし、家畜のえさになるようなものでもない。それを安く買い取って、バイオエタノールにしようという計画だという。
他にも、綿100%の服の切れ端や、製紙工場で発生する紙のカスを原料にしてエタノールを取り出す技術もあるそうだ。
捨てていたものがエネルギーに転換できるなんてスバラシイ。とうもろこしなどを原料とした場合に食料と競合するという問題があったバイオエタノールだが、原料がもともと廃棄物だというならその心配もない。お金をかけて捨てていたものが、そのまま売れる商品になってしまう画期的な技術だ。
でもまぁ、生ゴミでデロリアンが走れるようになるのは、まだまだ先かな。
公開日: 2008年07月11日(Fri)