「エコ」は「エゴ」でいいんだ。ウイルスに学べエコの本質。

今日の話題は 2008年6月10日放送の爆問学問「FILE040:「ウイルス その奇妙な生き方」」より(放送からだいぶ時間が経ってしまって、イマサラ感がありますが・・・)。北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人先生との対談でした。

ウイルスについて、意外と知らないことが沢山あって面白かった。番組中で語られたウイルスの特徴というか、生態というか、その辺を箇条書きにしてみた。

  • ウイルスは細菌とはまったく別物。
  • ウイルスはDNAやRNAを持っていて繁殖することができる。(だから、細胞は持っていないけど、生命と言っていいと思われる)
  • 独力で生きることはできず、生きた他者の細胞を必要とする。
  • ウイルスは完全な寄生生命体である。
  • 宿主を殺してしまったら、自分も生きていくことができない。
  • 宿主が病気になってしまうのは、ウイルスにとってはアクシデントであり、失敗である。
  • ウイルスを仮に絶滅させた場合に、それによって起こりうる悪影響は、おそらく何もない。

なんか、すごーく人間みたいというか、人間とウイルスと大差ないなぁと。この話を聞きながら、ウイルスとヒトとがすごく重なって見えた。

ウイルスの生活は宿主に完全に依存しているので、彼らの願いは、「宿主と共に永久に平和に暮らしたい」なんだろう。宿主を殺してしまうことは自分を殺してしまうことと同義であり、彼らにとってそれは失敗、愚かなることである。

ヒトもまた、ヒト単体では生きていけない寄生生命体だ。宿主である地球を死なせてしまったら、生きていくことができない。地球の環境にまったく依存しているわけだ。

そして、仮にヒトが絶滅したところで、誰も困る者はいないだろう。自然や生態系を守るために何かをしようというなら、人類を絶滅させるのが最も確実だと思われる。

だけど、エコロジストはテロリストではない。エコロジストが目指す世界は、人類が完全に排除された、非人工的な自然が守られた緑の惑星。・・・ではないのだ。地球の環境を守ることは、自分たちの将来の生活空間を守ることである。自分たち人間が、永久に住みやすい環境を維持し続けようという活動だ。

これこそ正しいエコである。

エコは、自然や、地球や、生態系や、可愛らしい小動物たちのためにする努力ではない。人間が、人間の生きるためにすることだ。

だから、「エコ」は「エゴ」でいい。エコとエゴを繋ぐ線は、回りくどすぎてなかなか見えにくいかも知れないけれども、環境に配慮するということが如何に自然な欲求であり、配慮しないことが如何に暗愚なことであるか。人間の知恵を持ってすれば容易く理解できるはずである。


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コヤナギ トモヤ

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