黒田 愛 『三匹のぶたの話』

昨晩、久しぶりに絵本で感動した。

黒田 愛 『三匹のぶたの話』 表紙

『三匹のぶたの話』という絵本。僕の知らない間に家にあったもので、昨晩こどもに読んで聞かせた。好きなんだって。

要するに、みんながよく知っている「三匹の子豚」のお話なのだが、『ユニークな解釈と圧倒的な迫力のある絵で描き出した作品です』と、表紙の裏に書かれている。

『圧倒的な迫力』と書かれているとおり、文句なしにド迫力のブタの兄弟。恐怖に歪んだ表情で逃げ惑うブタ。徐々に追い詰められていく逼迫した恐怖と緊張感が伝わってくる。が、悪役オオカミさんがかわいそうになってくるくらい、ブタの顔も怖い。

最後の結末も、(ここには書かないけど)僕らが普通に知っていた三匹の子豚とは少し違う、ヒネリが加えられていてよい。『ユニークな解釈』と書いてあるが、解釈というより、作り直してしまった感じがするが。

このブタ、このド迫力の形相、そして最後の結末。妙にリアルに人間くさいブタ。無垢で悪気ないキャラクター。『圧倒的な迫力』を持つこのブタに、人の社会のどこかの一幕を垣間見たような気がしてならない。そういうリアル。

なんというか、おとぎ話を読んでいる気がしないんだな。

著者の黒田愛(MEGUMI)さんは、『2005年6月に23歳の若さで急逝』とある。

この絵本は、すばらしい作品だと思います。


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